VALUの発展への考察
VALUとは
一言で言うと
VALUとは,bitcoinで購入できる個人の信用を売買できる仮想株式である.
個人的には,岡田斗司夫の評価経済という概念を知っていると,理解しやすい.
岡田斗司夫×堀江貴文が語りつくす!(第1回)世界は“お金”から“評価”の時代へ | エディターズ・チョイス | ダイヤモンド・オンライン
クラウドファンディングとの違い
流通する点
資金調達をクラウドファンディングで行う場合との違いは,仮想株式であるため,流通し,価格が流動的であるということだ.
目的は明確でなくても良い点.
クラウドファンディングは個人が目的を達成するために同士を集めるという特徴があるが,VALUにはない.(もちろん,購入する動機づけのために,公開する側が設定することは自由だが)
上場企業が株式公開するとき,起業は必ずしも達成目標を設定する必要がなく,会社が有無であろうの利益への期待とその株自体の価値で価格が決まるのと同じように,VALUは個人の将来生み出す利益の還元への期待や,そのVALU自体の価値が価格を決める.
要は株と一緒
なぜ騒がれるのか
様々な記事で言われるが,私が注目した点を幾つか挙げたい.
皆考えてはいたが,実現できなかったサービスであるという点.
先に述べたように,岡田斗司夫が2000年始まり近くに主張した評価経済という概念とそれを導入した会社FREEexがあった.しかし様々な理由からそれは発展しなかった.
なぜかだろうか.岡田斗司夫自身に問題があったということもあるが,なぜFREEexは発展せず,VALUは発展の兆しを見せているのだろうか.
現時点で改めて考えると,根本的な問題は信用を流通させるプロトコルであるブロックチェーン技術の存在である.
VALUがbitcoinでのみ売り買いできるという点で,VALUはブロックチェーン技術の上に成り立つサービスだ.そして,仮想通貨への規制改革が進んだため,様々な金銭授受の規制が信用を売買するという,あやふやな行為が金融庁の規制にかかることを防いでくれる.(VALUの中の人は金融庁に通いつめたそうだ.)
株式と同じロジックが適応できるという点.
歴史的パラダイムシフトかもしれないという点.
人間社会は幾つものパラダイムを経験した. 狩猟社会から,農耕社会への移行.それに伴うお金,貧富という概念の発生. 産業革命による,資本社会(工業社会)への移行.それに伴う競争の加速.物の時代.投資の加速の時代でもある. インターネット誕生による,情報社会への移行.
上記の課程で,人類は,貨幣という概念,株式という概念,情報空間(インターネット)という概念,など様々な概念を生み出してきた.
今回の場合,株式が生まれたことにより,オランダ船が香辛料を求めてハイリスクハイリターンな航海にでることができるようになった様に,VALUが生まれることで上記のようなバラダイムシフトを起こすかもしれない.
不安
ハイプ・サイクル曲線
VALUはbitcoinの上に成り立つ.bitcoinはまだまだ,こなれた技術ではなく,これからいわゆるハイプサイクル曲線の幻滅期を迎える技術だ.
https://www.gartner.co.jp/research/methodologies/research_hype.php
ブラックマンデー
VALUは仮想株式である.よって,これから市場に流通するにあたり,心配されるのは価格の暴落である.
ブラックマンデーの要因は以下挙げられる.
規制と競争の鈍化
VALUは恐慌を経験していない.また,bitcoinもそうだ.
VALUは株式の成り立ちの歴史をなぞるように成長している.この次の予想されるのは,流通の加速,価格の暴騰,そして暴落である.
現状VALUは,取引回数の制限と時間の制限を儲けることで,流通量を制限している.これはある意味で暴落を遠ざけることができるだろうが,これでは競争も生まれない.
このままでは将来,米中のどちらかが,もっと大規模にかつもっと自由な同じようなサービスを提供し始め,あっという間に抜かれるだろう.