学生の備忘録なブログ

日々のことを忘れないためのブログです。一日一成果物も目標。技術系はQiitaにあげるように変更しました。

イノセンスを失ったと感じるとき

日本語は明治維新以降の知識人達の頑張りなどによって、漢文の知識などを応用して相当する単語を組み合わせたりして、外国語を翻訳して取り込むことが上手な言語です。

本来は日本にはなかった概念も昔からあったかのようになじませて来ました。

しかし、言葉の意味というのはその言葉から形を変えた時点である程度失われます。

ですからその言葉の意味を絶対に過不足なく伝えたいと思ったら、その言葉の言語でその言葉を使う。つまり翻訳せず伝えるほかないと思います。

しかし、それでは実世界では意味がないので、音を当てはめてカタカナ語にしたり、相当する意味を当てはめて新しい熟語を作ったりします。

長々と前置きしましたが、今回私はイノセンスという概念を表す言葉とそれでしか表せない自分の心象を説明したいと思います。

引退したアイドルが復活した姿を観たとき

私はメディアを通して有名人を見たり、久しぶりに知人にあったりしたとき、この感覚を覚えることがあります。

その感覚とは「この人はイノセンスを失ったな」という感覚です。

イノセンスは日本語では純潔と訳されます。しかし、これでは私の伝えたい意味とは少し違った意味が加わってしまいます。

具体的には、貞操を失ったという意味だと感じてしまう人もいると危惧します。

しかし私が感じるのはそうではなく、「イノセンスを失って普通の人になったな」と感じるということです。

この場合のイノセンスを純潔と置き換えてしまうと、単純にアイドルという意味と結びついて下品な意味になってしまいます。

innocence: 無罪、潔白、純潔、純真、無邪気、天真爛漫(らんまん)、単純、無知、無害、無毒

chastity: 肉体的な貞節

アイドルなどは特に感じます。女性も男性も区別なく、イノセンスが失われてしまった様を見て悲しく感じることがあります。

なぜなら、それらをもう一度取り戻したひとを自分は見たことがないからです。

もちろん、それにより以前にも増した人気が出てくることもあるでしょう。

しかし、それまでのイノセントな存在感は失われたので何も表面的には変わらなく見えるのに、別人のように感じてしまい冷めてしまうということが起きるのです。

これは私がいわゆるタレントに対して幼児性を愛するタイプの消費行動をするために、タレントが方向転換をして幼児性を捨てて、洗練された表現あるいは大人としての自立を表すメッセージ性を表したような場合に感じるのではないかと自己分析していました。

(いわゆるロリコンなんじゃないかと自己分析していました。*1

しかし、自分はまずロリコンではないですし、特にイノセンスを失ったと感じる対象の人が自立したり、幼児性を脱したりした場合でなくとも感じるので、どうやらそうではないのだと思い直しました。

結局わからないので、この「イノセンスを失ったな」という感覚を他の人が感じることはないのかと思い、ブログに書き綴りました。

自分に対する自信をまだ一度も失っていない

今の考えでは以下のようなときにイノセンスを失ったと感じるのではないかと思っています。

その人が自分に対する自信をまだ一度も失っていない状態を崩されて、それを受け入れたとき。

なにかカリスマと呼ばれる人はある種の教祖と同じく、自分の世界とその世界を動かす法則について絶対の自信を持っているものです。

あるいはアイドルという人たちは、物心ついた頃から自分が一番魅力的で一番注目されていたいと思っています。

しかし、アイドルが集まれば優劣が生まれて、その自信を揺るがされてしまいます。

それに対して抵抗し、あるいは自分が近い将来、絶対に一番になれるという自信を持ってなんとか頑張るという人がいます。

一方で自分の限界に見切りをつけ、現状の中である程度満足の行く成果を出そうと努力の目標を変える人もいます。

この後者の人のように、心からの自信を失ってそれを受け入れてしまったときに「ああ、この人はイノセンスを失ったのだな」と感じるのではないでしょうか。

おわりに

ポエムを久しぶりに書きました。私自身、アイドルにコミットはしたことないですが、人並みにかわいい女性とかは好きでメディアを通して見たりするのですが、その時感じる感覚が長年あったので、整理するために書きました。

  • 芸人、アイドル、諸々のタレント、芸術家等、ハレとケにおけるハレに分類されるような非日常に生きる人々に対してよくイノセンスの有無を感じます。
  • 人は世界を直接は見れません。脳がつくる心象を見ています。自分が他者に与える心象を最大限に美化させるのは、その人が自身の魅力を信じていることが重要です。
  • カリスマ教祖が信者に信じ込ませるとき、一番信じ込ませることができるのは教祖本人がそれを信じ込んでいる場合だそうです。
  • アイドルやタレントも心の底から自分の魅力を信じているとき、ポテンシャルが最大限に発揮されるのではないでしょうか。

*1:ロリコンとは少なくとも婚姻可能な男女には使われるべき言葉ではないが、ここでは通俗的な意味で使う。